34: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:41:49.74 ID:Eikl4zs70
ざく、と砂を踏みしめる音が聞こえました。眼球だけを動かしてそちらを見れば、女生徒が一人、短く悲鳴を上げて後ずさっています。
見たな、と黒マントは小さく呟きました。
少女「逃げ――!」
私の言葉より早く、椅子が彼女の頭にクリーンヒット。そのまま昏倒し、ピクリともしません。
黒マント「『黒光纏いて優雅に踊れ』」
光が椅子と机を包んで、そのまま、落下。
金属と金属がぶつかる音にまぎれて、とても鈍い、いやな音が聞こえました。
じわりじわりと血だまりが広がっていきます。
そして、山となった椅子と机の向こうに、揚々と登校してきた生徒が何十人といました。
そこから先は地獄絵図。机が乱舞し、椅子が血に染まる、この世のものとは思えない光景が広がります。逃げ切れる生徒は誰もいません。いたとしても、椅子に飛び乗った黒マントが、猛追するのですから。
黒マント「うっひゃひゃひゃひゃ! 笑いが止まんないわ! 全員、全員、死んじゃえばいいんだ、そうだ、私を馬鹿にしやがって、どいつもこいつも、くそどもがっ!」
いわゆる「普通の」口調で黒マントは狂ったように罵声を浴びせかけます。
そうして一息ついたのでしょうか。彼女は大きく息を吸って、吐いて、すっかり静まり返った光景に背を向けて、私に直ります。
黒マント「安心するがよい。貴様もすぐに、友人のところへと送ってやろうぞ」
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