過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part 6
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53: ◆lhyaSqoHV6[saga]
2013/08/19(月) 07:19:36.25 ID:VHs+KO40o

仁美「遠からん者は音に聞け!」

狼型を串刺しにした槍を地に突き立て、自らを奮い立たせるように叫ぶ。

仁美「我が名は丹羽仁美! 異形を狩る者なり!!」

松風『(名乗りがいつもの雰囲気と違うな……本気モードってヤツか?)』

その槍を思い切り──侍が刀に付いた血糊を払うかのように振るうと、狼は地面に叩きつけられ、飛沫を上げて飛び散った。

泥を払った槍を残った群れに向け言葉を続ける。

仁美「闇より出でし禍つ者共よ! 数多の魔を屠りし我が斧槍を以って、昏き淵へと送還してくれよう!!」

口上を終えると、仁美は松風に飛び乗り狼型の群れと反対方向へ駆け出す。


松風『格好つけておいて結局逃げるんだな』

仁美「逃げるんじゃないよ! 時間稼ぎだから!」

仁美が向かったのは、有事の際に使用されるシェルターの反対方向だった。
少しでも民間人の避難を助けられればと考えての行動だ。

仁美「よし、かかった!」

すぐさま狼型の追手がかかる。
見ると、八匹全部が追いかけてきたようだ。

仁美の名乗りは一見目立ちたいがための無意味な行為に見えるが、その実、相対した相手の気を引くという効果もあった。
それは、相方であるあやめの戦い方──陰ながら敵に忍び寄り、隙を衝いて致命傷を見舞うような戦法と、図らずも合致するものだった。

仁美「(まあ、今はあやめっちも居ないし……あんまり意味は無いんだけどね)」

それでも、狼型を全て引き連れて、人の少ない方へとおびき寄せる事には成功している。
一般人の避難を助け、仁美にとって戦いやすい環境を作るくらいの効果はあったのだ。


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