過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part 6
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◆lhyaSqoHV6
[saga]
2013/08/19(月) 07:22:45.57 ID:VHs+KO40o
松風『仁美よ、俺の全速力なら、今ならまだ包囲を突破して逃げる事も出来るぞ……敵の数も減ったしな』
松風『だが、これ以上戦うつもりでいるなら、そのチャンスもすぐに無くなるだろう』
仁美「……」
松風『時間が無い、どうするかすぐに決めろ』
仁美「確かに逃げるってのも手かもね、『三十六計逃げるに如かず』って故事もあるしね」
松風『だったら──』
仁美「でも、アタシは逃げない……逃げたくない……」
仁美がここにいるのは、戦う術を持たない民間人を助けるためという理由からだ。
だが、それ以上に、自分の存在意義を掛けて戦っているという側面が強かった。
仁美「ここで……逃げるわけにはいかない……っ!」
松風『……』
他のヒーロー達の留守を……この街を守ると決めたのだ。
立てた誓いを簡単に破るわけにはいかない。
仁美「もののふにはね、命を賭してまで戦うべき時があるの……アタシにとっては今がその時なのよ」
仁美「生くべき時に生き、死すべき時にのみ死するってね!」
松風『……そうかよ、なら俺はもう何も言わん』
仁美とは短くない付き合いの松風は、言っても無駄だと察したのだろう、口を噤む。
仁美「(ただ、松風は最初から逃げろって言ってたんだよね……)」
仁美「(ここに残って戦おうっていうアタシのワガママに、付き合わせるわけにはいかない)」
仁美「松風、あなたは戻って」
仁美は槍を掲げ、松風をその中へと封印する。
松風『なっ!? お前、何を!?』
仁美「こんな奴ら、アタシ一人でも何てことないってこと!」
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