過去ログ - 席替えは時として、突然に新たな道を作る。
1- 20
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/17(土) 21:24:05.62 ID:L1PDxPDc0
「失礼しまーーーす!!!!!!!」
ノックの後、勢いよく誰かが入ってきた。
「ヒキタニ君、話聞かせてもらおうか。」
海老名さんが現れた。
「あ、何をだよ。」
話ってなんだろうか。俺には全く身に覚えがない。
「決まってるじゃない!さっきの愛してるぜ!川崎!についてだよ!クラス内であんな大声で愛してるだなんて言うなんてどういうことなのかなー?」
ああ、俺そんなこと言ってたんだ。何か焦ってたから全然覚えてなかった。
「で、サキサキは言われた瞬間、またそうやってって言ってたけどつまり前にも言ったことがあるってことだよねー?」
「あ、あの・・・えっと・・・。」
思い出される文化祭の記憶。
俺はあの時も川崎に同じセリフを言った。
「比企谷君。」
「はいっ!」
雪ノ下が鋭い口調で俺の名前を呼んだのでつい良い返事をしてしまった。
「正直に話しなさい。」
「ほらー、雪ノ下さんもこう言ってることだしー・・・。」
二人に詰め寄られる。
「あー、もうわかった!わかったから!今から言うことは全部本当のことだからな!良いな!」
「ええ。わかったわ。」
「うんうん。」
「最初に川崎にその・・・あ、愛してるって言ったのは・・・文化祭の時だ。」
「文化祭?あなた仕事もしないで川崎さんといったい何をしていたのかしら。」
「落ち着け雪ノ下。良いから俺の話を聞け。その時俺は相模を探していてな。その時に相模にたどり着く一番の手がかりをくれたのが川崎だったんだ。それで・・・その時・・・。」
「サンキュー!愛してるぜ川崎!世界中の誰よりも!そう言って二人は・・・いやあ、ヘタレ受けのヒキタニ君がそんな風に言うなんて・・・。」
「おい、勝手に付け加えるな。世界中の誰よりもなんて言ってねえぞ。」
「それで、比企谷君は川崎さんのことをどう思ってるの?本当に・・・その愛してるのかしら・・・。」
雪ノ下が急にモジモジしはじめた。
「この反応?雪ノ下さんもしかしてヒキタニ君のこと・・・これはおもしろいなぁ・・・。」
海老名さんが何やらブツブツ言っている。しかし聞き取れるボリュームじゃなかった。
「いや、特に何も。良いやつだなってくらいにしか。」
「そ、そう・・・。愛しているわけではないのね・・・。」
「あれ、雪ノ下さんは何でホッとしてるのかなー?」
海老名さんがすかさず雪ノ下に突っ込む。俺は見てなかったから知らないけど。
「な、なぜ私が安堵する必要があるのかしら。私には比企谷君のことなど関係ないし、比企谷君がその、誰を愛そうとも私は」
「はいストップ。」
雪ノ下がベラベラしゃべりだしたが海老名さんが止めた。
「つまりー、ヒキタニ君とサキサキは別に付き合ってるとかそういうわけじゃないってことで良いのかな?」
海老名さんは俺の方を見てそう問いかけた。
「ああ、そういうことでいい。」
「じゃあ今後に期待ってことで。じゃあ、私は退散するよ。じゃーねー!」
そう言って海老名さんは去っていった。いや、期待されても困るんだけど。
「嵐が去ったみたいだったな・・・。」
「なら後は静けさだけね。」
雪ノ下がそう言った通り、俺たちはその後、特にしゃべることはなかった。
俺が弁当を食ってる時何かチラチラ見ていた気がしたがスルーしておいた。
弁当を食い終わると昼休みの終わる時間がギリギリだったので俺と雪ノ下は教室に戻った。
しかし・・・雪ノ下と一緒に歩くと視線が痛い・・・。
それにしても川崎の作る弁当はなかなか美味しかった。量が少ないというのが唯一気になった点ではあるが。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
98Res/66.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice