過去ログ - 御坂「あんたのこと」食蜂「大好きよぉ」
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106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/18(日) 00:08:31.09 ID:ey/pC7+AO
〜119〜

結標「黒子〜寒い〜」

白井「はいはい……」

季節は巡って冬。私は霧ヶ丘女学院校庭に発生した虚数学区の入口を前に出待ちをしていた。その理由は。

白井「ぎゅーっとしてあげますので我慢して下さいませ。お姉様達が戻られるまで。はいおしるこですの」

御坂美琴と食蜂操祈を、死者のAIM拡散力場の坩堝とも言うべき地点に送り込んでから回収する為にいる。
それも雪がちらつくほどの寒さの中。黒子って言うカイロがなければとても我慢出来なくて帰りたくなる。
私は黒子を抱き締めつつ、一つのおしるこを二人で分け合う。今頃『一人目』の彼に会っているでしょう。

結標「……立ち直れると良いわね。そうしてもらわないと困る」

彼女の最大の悲劇は死者を蘇らせる術を見つけ、それを行動に移すだけの実力と下地があった事でしょう。
『出来る』とわかった時点で『やってはいけない』事が後回しにするのは、科学の街の住人だからかもね。
でもこの時間軸の彼女はまだ引き返せる。希望も絶望も渇望も切望も全てを飲み込むあの怪物とは違う筈。

白井「お姉様!」

――そこへ、御坂美琴と食蜂操祈が『手を繋いで』戻って来た。

〜119.5〜

結標「……気は済んだ?」

食蜂「――ええ。そうね」

銀世界となった校庭にて、御坂と食蜂が白井と結標が向かい合う。思えば四人がまともに顔を合わせ――
言葉を交わすのはこれが初めての事だった。過去・現在・未来に於いて幾度となく鎬を削った敵同士が。

食蜂「……ありがとうね」

白井「どういたしまして」

それはどこか象徴的に見えた。食蜂の澄み切った眼差しを見るに、恐らく満たされたのだろうと感じる。
御坂も同じ事を思ったのかかじかみそうな手指を握り締めて食蜂に微笑む。これで全て終わったのだと。

御坂「じゃあどっかお茶していかない?勿論あんたの奢りでね」

食蜂「わかったわぁ。私の行き着けのお店力で良かったらねぇ」

結標「私はパス。馴れ合いは嫌いなの。帰るわよ黒子。黒子?」

白井「ではあったかいクリームティーをご馳走になりますの!」

結標「この裏切り者!貴女は私の彼女でしょ!ねえ待ってよ!」

少女達の四つの足跡が雪面に刻まれて行く。奇跡のように巡り会い、奇蹟のように結び合う軌跡を描いて。

食蜂「――……さよなら、私の大好きだった上条さん……――」

そして――




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