過去ログ - 御坂「あんたのこと」食蜂「大好きよぉ」
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78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/17(土) 23:30:59.21 ID:BX4MDBAAO
〜93〜

その瞬間、雲の切れ間から差し込む天使の梯子の光の下にて、食蜂の背中から胸元を一発の弾丸が貫いた。

神浄「あーあ、あ?」

結標達のいた花畑から僅かに離れた場所、そこには調査団が残して行ったであろう拳銃を取り落とした。

結標「佐天さん!?」

佐天「あ、ああ……」

かつて結標が九死に一生を得た電気通信ケーブル保守地下道に隠れ住んでいた唯一の生存者、佐天涙子。
そう、白井がグラウンド・ゼロで見かけた人影は光学迷彩で隠れていた御坂達ではなく佐天だったのだ。
佐天が取り落とした拳銃から立ち上る硝煙。今度はゴム弾ではなく正真正銘の怪物を殺す為の銀の弾丸。
傍らの上条が浴び、今も花畑のアスフォデルスを赤く染める血は倒れ込んだ食蜂のものに違いなかった。

佐天「わっ、私、ずっと怖くて隠れてて、でも、結標さんが、白井さんの彼女さんが操られそうになって」

結標「佐天さん落ち着きなさい!もう大丈夫!もう大丈夫よ!」

半ば恐慌状態に陥りかけている佐天へ駆け寄り結標が抱き寄せる。貴女は悪くないと何度も言い聞かせて。

食蜂「――――――」

思えば佐天は、結標と白井が互いを偽って逢瀬を重ねていた頃から御坂達の中で唯一彼女達を知っていた。
帝都タワーでの戦いでもただ一人食蜂の魔手から逃れた。この闘いでもひとりぼっちでも生きて来たのだ。
70億人を殺し、科学サイドも魔術サイドも掠り傷一つつけられなかった食蜂を倒したのは、一発の銃弾。
レベル0、無能力者、戦闘のプロですらない普通の少女の感情の爆発が不死身の怪物を討ち滅ぼしたのだ。

結標「貴女に人殺しなんてさせない。貴女の手を汚させたりしたら黒子に顔向け出来なくなっちゃうもの」

そして結標が花畑に取り落とされた拳銃を拾い上げ、虫の息の食蜂へ突き付ける。引導は自分で渡すと……

結標「………………」

ドン!という乾いた銃声が今際に浮かべた食蜂の微笑みごと胸を撃ち抜き、その魂を運命の空へと還した。

佐天「どうして……」

その死に顔は一人の少女を怪物に変えてしまう前の、上条とラーメンを食べていた頃の安らかな物だった。

結標「死にたがりの考える事なんてわからないわ。ただ、これさえこの女のシナリオだったんでしょうね」




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