184: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/09/29(日) 21:45:18.35 ID:C+2Et43D0
眼鏡は息を吐くと、ロッククライミングの要領で、化物の体を駆けあがっていく。
その速度はまるで、地面を走っている様に速い。
逃げる事だけを考えればいい今、彼に体力を温存するという選択肢は無かった。
一刻も早く、ここから逃げ、体力を回復する。
そのために彼は残った体力で、全力で移動する。
それが、彼の注意力を一瞬だけ鈍らせていた。
不意に目の前が真っ暗になる。
身動きが取れなくなり、何処が地面で何処が空なのかが分からなくなる。
何が起こったのか理解できないまま、彼は暗闇の中でもがき続ける。
そしてようやく、自分に起こった事を理解した。
ごく簡単な事だった。
モンスターに捕まった。
ただそれだけの事。
たったそれだけ。
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