140: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:22:12.15 ID:qsOOelxu0
桐乃は当然、慌てて俺を突き飛ばそうとでもするのかと思った。 だけど、俺の予想は見事に裏切られる。
桐乃「知ってる。 だって、わざとだもん」
頬を紅潮させ、横を向きながら桐乃はそう言った。
141: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:22:40.17 ID:qsOOelxu0
京介「そ、そりゃあまあ嬉しいけどよ! お、お前なぁ!」
俺も俺で変なことを口走っているしさ。
桐乃「……」
142: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:23:08.17 ID:qsOOelxu0
「ただいま」
と、俺と桐乃が見つめあっているときに、背後からそう聞こえる。
この時、俺が思ったこと。
143: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:23:36.56 ID:qsOOelxu0
京介「ちょ、ちょっと待ったああああぁああああぁあああ!!」
俺は急いで振り向き、開きかけた扉に向かって叫ぶ。 もうありったけの大声だった気がするぜ。
後で苦情が来たら謝らないとな。
144: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:24:03.58 ID:qsOOelxu0
黒猫「あ、あなたたち……!」
黒猫は当然驚き、扉を開けたままの格好で硬直していた。 沙織もあまりの出来事に言葉を失っている様子。
そして数秒そうして固まった後、黒猫はようやく口を開く。
145: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:24:50.66 ID:qsOOelxu0
黒猫「それで、あなたたちは一体何をしていたの? こんな日が昇っている時間から」
その言い方はやめて欲しいぜ。 日が沈んでいたら良いみたいじゃねえか。
あの後、結局正気を取り戻した桐乃が黒猫に連絡を取り、なんとか一旦は呼び戻すことができた。
146: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:25:20.50 ID:qsOOelxu0
黒猫「ふん。 そんなのは決まっているわ。 だってここ、わたしたち全員の場所じゃない」
京介「いつからだよ!?」
沙織「それはもう、遥か昔のことですな……」
147: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:25:50.27 ID:qsOOelxu0
桐乃「……そこまで否定しなくても」
桐乃が隣で何かを呟いている。
……いや俺にははっきり聞こえたけど、聞こえなかったということにしておこう。 恥ずかしいから。
148: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:26:16.69 ID:qsOOelxu0
黒猫「それより、わたしが気になるのはそっちの方ね。 そのあなたたちを結んでいる銀の鎖……シルバーチェーン」
なんで横文字なんだ。 つうかただの手錠だろうが。
京介「ああ、これはだな……」
149: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:26:46.20 ID:qsOOelxu0
京介「ええっとだな……簡単に説明すると事故なんだよ。 俺たちにとっても望んだことじゃないから。 こんな状況であれだが一応言っておくけどよ。 な、桐乃」
桐乃「そ、そうそう! 嬉しくないって言えばウソになるケド……でも、そうしようとしてしたワケじゃないから」
……駄目だこいつ。 まだテンパってるだろ。 でもお前が嬉しいと思ってくれているのに俺は喜べばいいのだろうか。 素直に喜べる状況じゃないけど。
150: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/21(水) 13:27:36.15 ID:qsOOelxu0
沙織「ですが、そういうのには大体鍵が付いているのでは?」
京介「それなんだけど、一個あった鍵を……失くしちまってな。 元々はあやせの物だから、あいつがスペアの鍵を持ってくれてたら助かるんだけどさ」
沙織「ほほう……なるほどですな。 それで、もし持っていなかった場合は?」
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