76: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:24:20.28 ID:tcCZFDmB0
京介「ったく」
仕方無い。 布団まで運んでやるとしよう。
開いていたノートやらを片付け、桐乃の元へ。
77: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:24:47.76 ID:tcCZFDmB0
京介「……くそ、可愛い顔しやがって」
俺はそっと、桐乃の顔を撫でる。 桐乃はぴくっと体をさせていたが、起きる気配は感じられない。
京介「あ、そういや髪触らせてもらってねぇ……超損した気分だな」
78: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:25:14.56 ID:tcCZFDmB0
「シャー!」
京介「……んだよ。 なんか文句あんのか、猫」
「……」
79: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:25:49.82 ID:tcCZFDmB0
それにしても、こいつって本当に寝顔はどこかのお姫様って感じだよ。 起きたら鬼だけどな。
京介「おやすみ、桐乃」
桐乃にそう言い、俺は居間へ一度戻る。
80: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:26:24.77 ID:tcCZFDmB0
「……」
京介「……お前、俺に構ってると桐乃に怒られるぞ」
俺の言葉に猫は無言。 どこか機嫌が良さそうな顔で目を瞑っている。
81: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:27:12.06 ID:tcCZFDmB0
「シャー!」
すると猫はいつもの怖い顔で俺のことを睨み、布団の中で眠る桐乃の元へと駆け寄っていった。
京介「はぁ……」
82: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:28:58.07 ID:tcCZFDmB0
桐乃「京介! 大変!」
京介「なんだ? 帰ってきて早々に」
桐乃「学校の友達なんだけど……猫の話をしたら、引き取ってくれるって」
83: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:29:42.50 ID:tcCZFDmB0
京介「悲しそうな顔してんじゃねーよ。 喜んであげるべきだろ? つっても」
京介「……無理もないか」
こいつがどれほどあの猫を好きだったのかは分かるし、その猫が他の人のところへ行くとなって、どんな気持ちになるのかも……また、分かる。
84: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:31:09.29 ID:tcCZFDmB0
桐乃の頭の上に手を置き、俺は言う。
京介「笑って、見送ってやろうぜ。 俺の前でならいくら泣いても良いからさ、あの猫の前ではせめて笑って……な」
京介「そっちの方があの猫も、安心して行けるだろ?」
85: ◆IWJezsAOw6[saga]
2013/08/20(火) 13:31:53.40 ID:tcCZFDmB0
こうして、俺と桐乃の前からあの猫は去っていった。
短い間ではあったけれど、今回のことで分かったことが一つある。
それは。
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