23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/08/19(月) 00:51:08.31 ID:a0RDO+7eo
……そこで、気が付く。なぜ、こんなにも頑張ろうとしているのだろうか。
なぜ、”無様な姿を見せるわけにはいかない”のだろうか?
自分で思ったことだけれど、まゆにはわからなかった。
トレ「それじゃあ、まずは簡単なステップからいきましょうか――」
それから一時間が経った。体のあちこちが痛む。すでに、全身筋肉痛になっていた。
体育は、あまり得意じゃない。中の下、と言ったところだろうか。
普段使わない筋肉を使い、体中がぼろぼろだ。もう、指を動かすことさえ、辛い。
トレ「はい、じゃあ今日はここまで」
みく「ゼェ、ちょっと、トレーナーさん? ハァ、今日、ちょっと、ハァ、きつくない?」
トレ「あはは、まゆちゃんの動きがすごくよかったので、ついつい気合いが入ってしまって」
まゆ「うふふ、ありがとうございます」
みく「それに、しても、ゼェ、休憩なしは、やりすぎ、にゃ……全然、簡単じゃ、にゃい」
みく「ハァ、まゆチャンは、なんで、そんなに、疲れてないのにゃ……みく、もう駄目……」
みくちゃんは、そのまま床に倒れこんでしまった。よほど疲れたのだろう。
まゆだって、疲れ果てている。しかし、それを表に出してしまっては――
P「まゆ、すごかったぞ」
まゆ「はい、ありがとうございます」
P「初めてとは思えないくらいの動きだったぞ。ふふ、これからが楽しみだ」
プロデューサーさんが笑ってくれた。プロデューサーさんが喜んでくれた。
今までの頑張りが報われたような気がした。そして、緊張の糸がぷつりと切れ、まゆの体が、傾く。
重力に逆らうことなく、そのままスタジオの床に叩きつけられる――はずだった。
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