過去ログ - 雪ノ下「比企谷君、今からティーカップを買いに行かない?」
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944: ◆GULJi96aoSzS[sage]
2013/10/26(土) 20:11:06.84 ID:t4lG1/uao


 15分ほど進むと北淡震災公園に着いた。
 阪神淡路大震災の震央近くにある場所だ。
 震央とは震源の真上にあたる地上地点を指す。
 つまり、震源とは地中を指している言葉なのだ。

 ここには野島断層と呼ばれる断層が保存されていた。
 俺たちふたりは、自然の脅威をまざまざと見せつけられた。
 雪乃は緊張した面持ちでずっと俺の手を離さなかった。
 こうして、淡路島を回った後、再び高速に乗ると大鳴門橋を渡って四国に入った。


 そして、現在、大鳴門橋の橋桁の下に設置された「渦の道」と呼ばれる通路を歩いている。
 450m続くこの通路は、海面からの高さ45mのところにある。
 足元には、鳴門の渦を覗き込むことができるガラス窓が設置されている。
 ちょうどまさに今、渦がものすごい勢いで発生している。

 高さ45mといえば、建物に換算するとちょうど15階くらいの高さだ。
 雪乃の部屋もマンションの15階にあるが、ここは海の上だ。
 周りに建造物がないせいで、数字以上の高さを感じる。
 俺も決して高いところや絶叫マシンが得意なわけではないが、雪乃ほど恐怖を感じてはいない。


「雪乃、服を引っ張りすぎだ。痛ぇよ……」


「八幡、あなた歩くのが早すぎるわよ。女性のエスコート一つ満足できないのかしら」

 悪態をつきながら、なおも服をグイグイ引っ張ってくる。

このあと、高松に入る前に平賀源内記念館を見学する予定だ。
 なんせここには、解体新書の初版本が展示されている。
 これはどうしても見ておきたい。
 だから、いつまでもここで油を売っているわけにはいかないのだ。


「ったく、仕方ねーな……」

 冷やかしの視線が周囲から注がれたが気にしている場合ではない。

「は、八幡……、こ、これはいったいどういうつもりかしら……」

 雪乃はへっぴり腰になってろくに歩くことができない。
 そこで、先に進むために最終手段に出たのだ。

 俺にお姫様抱っこされた雪乃は羞恥に身もだえていたのであった。


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