過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/08/28(水) 18:19:29.53 ID:BWPh2mblo
「走ってると、他の人の家から丸見えなんだよね」
「そんなの、このあたりだってそうだよ」
「うん。でもね、うちの家の近くって、みんな顔見知りだからさ、噂されるんだよ」
「噂?」
「うん。前の家のおばちゃんとかにね、朝走ってたねーって。すぐ広まるんだよ、いろんなこと」
珍しく、うんざりしたような口調だった。彼女はいつも器用に感情を隠す。
本音を軽々しく口にしない。だから温厚に見えるけど、本当はすごく繊細で、しかも気難しい。
「別にジョギングに限らなくてね、あそこの家の子はどこの学校に行ったとかさ、そういうのも全部」
そういうの、ときどき嫌になるんだよね。従妹は無表情にそう言った。
従妹には違って見えるのかもしれない。でも、ここだって本当は似たようなものだ。
そう言おうと思ったけどやめた。何の意味もないことだった。
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