過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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272:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/06(金) 19:16:05.45 ID:1fpknpK6o

「……始まりと終わりが決まってるって、どういうことですか?」

 後輩がひとり、不思議そうな顔をした。

「毎回、女の子が部屋の中で考えごとしてるところから始まるんだよね」

 部長に読ませたのはだいたい二、三本だと思うが、まあそれでも分かるものは分かるだろう。
 なにせ文章がまるまる同じなのだ。

「それで、女の子が出掛けるところで終わる」

 後輩は感心したような顔になった。感心するところでもない。

「まあ、それだけ決まってれば、あとはどうにでもなるんで」

「ああいうの、わたし書けないんだよね。なんでなんだろう」

 逆に書けない方が幸せなんだと思うけど、部長はちょっと悔しそうな顔をしていた。
 俺は居たたまれなくなってきた。そもそもあれは小説なんてもんじゃない。

 とはいえ、まあ、そんなことを言ったところで無意味なんだけど。

「まあ、何か書こうとするなら、やっぱり俺より部長のやり方の方が参考になると思いますよ」

 それだけ言って、話を終わらせた。後輩は余計にわけがわからなくなったみたいな顔をしていた。



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