過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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以下、新鯖からお送りいたします
[saga]
2013/09/11(水) 19:04:57.84 ID:H7FQDfEZo
さて、と俺は思った。家には帰りたくない。かといっていつまでも部室にはいられない。
とにかく移動するしかない。どこでもいい。そう考えたところで屋上のことが頭に浮かんだ。
屋上。
仕方ないか、と俺は思った。昨日あんな話をされたあとに、夕陽なんて見る気にはなれないのだけれど。
それに、今日こそは彼女がいるかもしれない。いたからといって、どうというわけではないのだけれど。
部室を出て屋上に向かう途中に、シィタ派の後ろ姿を見た。
誰かが隣にいるようなので覗き見ると、どうも編入生と一緒に歩いているらしい。
邪推するほどのことでもないだろう。
俺は屋上への階段を昇る。踊り場の窓が開きっぱなしになっていて、吹き込む風にカタカタと音を立てていた。
校舎に人の気配はしない。外から誰かの話し声から遠く聞こえるだけだった。
鉄扉を押し開ける。
夕陽の逆光。フェンスの傍らの影。彼女は今日もそこにいた。
「元気ないね?」と彼女は言った。振り向いているのかどうかすら、俺には分からない。
「まあね」と俺は言った。取り繕う気にもなれない。
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