過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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323:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:04:57.84 ID:H7FQDfEZo

 さて、と俺は思った。家には帰りたくない。かといっていつまでも部室にはいられない。
 とにかく移動するしかない。どこでもいい。そう考えたところで屋上のことが頭に浮かんだ。

 屋上。

 仕方ないか、と俺は思った。昨日あんな話をされたあとに、夕陽なんて見る気にはなれないのだけれど。

 それに、今日こそは彼女がいるかもしれない。いたからといって、どうというわけではないのだけれど。

 部室を出て屋上に向かう途中に、シィタ派の後ろ姿を見た。
 誰かが隣にいるようなので覗き見ると、どうも編入生と一緒に歩いているらしい。
 邪推するほどのことでもないだろう。

 俺は屋上への階段を昇る。踊り場の窓が開きっぱなしになっていて、吹き込む風にカタカタと音を立てていた。
 校舎に人の気配はしない。外から誰かの話し声から遠く聞こえるだけだった。

 鉄扉を押し開ける。
 夕陽の逆光。フェンスの傍らの影。彼女は今日もそこにいた。

「元気ないね?」と彼女は言った。振り向いているのかどうかすら、俺には分からない。
「まあね」と俺は言った。取り繕う気にもなれない。



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