過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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486:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:45:16.63 ID:BMk4ZBhio

「だって、おまえはさ、ちょっと嫌なことがあったから夕飯をつくるのが億劫だとか、絶対に言わないだろ」

「そんなことは、ないと思うけど」

「身体がだるいから家事をやりたくないなんて、絶対に言わない」

「本当につらかったら言うよ」

「やれなかったら言う、だろ。そういうのが、心配というか、見てて怖くなるんだ」

「……怖い?」

「自分の気持ちとかを、押し殺してるみたいに見えるんだ」

「そんなこと、ない、よ」

「うん。それならいいんだよ。俺の気のせいなら、べつにさ」

 妹は何も言ってこなかった。雨樋から、また、大きな粒が、トン、と落ちる。
 ざあざあという雨の音が、家の中を支配していた。窓の外の景色は青っぽく染まっている。

 頭の中の鈍い痛みが、時折わずかに強まった。
 



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