過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/09/26(木) 19:35:14.04 ID:TcbpP0uzo
◇
部活が終わった後も、何をするでもなく部室に残っていた。
家には帰りたくなかった。こういう気分の日は、いつもなら屋上に行った。
でも、もう行くわけにはいかなかった。少なくとも、彼女に対して言えることが何か思いつくまでは。
たとえば「久し振り」だとか、あるいは「気付かなかったよ、ごめんな」だとか。
無神経だろうと馬鹿げていようとなんでもいい。とにかく自分自身納得のいく言葉がほしかった。
でも結局のところ、そんなのは無謀な試みなんだろう。
時間は絶え間なく流れ続けているし、その勢いは決して俺のことを顧みたりはしない。
誰も俺が納得するのを待っていたりはしない。
俺は納得したかったし、未整理のまま放り出されたさまざまなものをどうにかして整理したかった。
文章を書くことで起こっていることを整理できれば、もう少しマシな行動がとれるような気がした。
でも、文章を書いている間にも時間は流れていく。俺とは無関係に物事は動いていく。
そして取り返しがとれなくなっていく。整理しなければいけない事柄は増えていく。
俺は身動きがとれなくなっていく。
結局、物事を未整理のまま抱え込んで、とりあえず最善を尽くす方が、よっぽどマシな結果が生まれたのかもしれない。
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