過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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540:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/28(土) 14:11:56.79 ID:KVRRLmPoo

「ねえ、ひとつだけ訊いてもいい?」と俺は訊ねた。
 ずっと前から気になっていたのだけれど、この言葉、それ自体がひとつの質問だよな。
 どうでもいいことを考えて気分を切り替えようとした。

「なに?」と彼女は首を傾げた。

「きみは前、学生同士の恋愛に興味なんてないって言ってなかった?」

「よくそんなこと覚えてるね。それ、あてつけみたいなものだったんだよ」

「意味がない、みたいなことも言っていたよね?」

 彼女は肩をすくめた。

「意味がなくて何がいけないの?」

 たぶんそこが俺と彼女の決定的な違いなんだと思うけれど、確信はできない。
 俺はそれ以上考えることをやめてしまったからだ。本心では、彼女は無意味だとも思っていないのかもしれない。

 何かしらの意味はあるのだと考えているのかもしれない。今だったら、その考えに同意できそうだった。
 意味があるにしても、結局俺には、怖くてそんなことはできそうにないけれど。

 彼女が屋上を去り、俺はひとり置き去りにされた。扉の閉まる音の後には、風の声しか残らなかった。
 このようにして俺はひとりぼっちになった。



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