過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/23(金) 17:50:36.30 ID:d8131qjCo



「……すみません、文芸部の部室って、ここですよね?」
 
 扉を開けたのは、見慣れない制服を身にまとった美少女だった。
 一斉に注目を浴びて戸惑ったのか、居心地悪そうにスカートの裾をつまんでいる。
 
 美少女なのはいい。
 が、声に聞き覚えが、容姿に見覚えがあった。
 ……というより、祭りのときに声を掛けた女の子に似ている。似ているだけかもしれない。きっとそうだ。

 俺は思わず顔を伏せた。冷静に考えてみれば別に隠れる必要もないのだが、なぜか。妙な罪悪感があった。

「……えっと、編入生、さん、だよね?」

 応対したのは部長だった。

「はい。今日、部活の見学をしたかったんです。それで、顧問の先生が教室まで迎えに来てくれるって話だったんですけど……」

 ……顧問は寝ている。なんとなく、全員が事情を察した。

「てことは、入部希望?」

「……はい」

 シィタ派が顧問を揺すって無理やり起こした。顧問は目覚めたあと、十秒くらいぼーっと虚空を見つめていた。
 たぶん無限大な夢と現実とのギャップに愛しい想いが負けそうになっていたんだろうと思う。



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