過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/22(木) 19:00:16.45 ID:ESoSJTHeo

「いいかシスコン。俺たちに選択の余地なんてないんだよ」

 ビィ派の声は段々と大きくなりはじめていた。
 大音声の蝉の合唱をかき消すほどに。
 近所に声が漏れるからやめてほしい。

「俺は現実の女に関わりたいなんて思わないが……思っていたとして、同じことだ」

 彼がこんなに真面目な顔をしたのはいつぶりだろう。
 思い出せるかぎりでは、学園ハーレムモノにおけるお約束イベントの是非について激論を交わしたとき以来だった。 

「――俺たちにはどうせ何もできやしないんだよ!」

 ひときわ大きな声でそう断言すると、部屋に沈黙が戻り、耳に蝉の声がよみがえった。
 まあ、たしかに。
 したいと思ってできるほどの積極性を持っていれば、夏休みの終わりごろになって、いまさらこんなことを言い出しはしない。

「だから俺は断言できる。これは俺たちが取り得る選択肢の中で最善のものだ。友達とすら遊ばなかったら寂しくて死ねるぞ」

 まあそうかもしれない、と思ったところで話は終わり、俺たちはフラッシュめぐりを再開した。
 ……虚無感。夏休みは残り一週間を切っていた。




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