過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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乾杯
◆ziwzYr641k
[sage]
2013/08/27(火) 22:39:45.10 ID:GvW4ts2L0
「弱りましたね。通路に陣取られては無傷での突破は困難です」
「通風孔を使うってのは? スパイ映画なんかじゃよくあるだろ」
上条が天井を指差しながらそう言うと、神裂は一考にすら値しないとばかりに首を振った。
「侵入していることがバレているのに、ですか? 出口で待ち構えられて蜂の巣にされるのがオチです」
「……そ、そうか。でも、そんなにのんびりしてる暇は、ねえんだよな」
上条が室内をざっと見回し、再びのびている猟犬に視線を戻す。
ふと、腰の横に落ちているものに目が止まり、それを――
「素人が使うのは、おすすめしません」
ぴくり、と上条の指先が躊躇いを見せた。
が、次には思い直したように手を伸ばし、落ちていた拳銃を握り締めた。
「……そんなチャチな武器で自動小銃を持ったプロと渡り合えるとでも?」
「護身用だよ。頼らざるを得ない状況になるかもしれないだろ?」
そう言いながら得物を懐に忍ばせると、今度は気絶させた男の服のボタンを外し始めた。
「ちょ、ちょっと、上条当麻! どういうつもりですか!」
何を勘違いしたのか狼狽えた神裂に構うことなく、上条は上着の感触を何度となく手で握って確かめている。
「こっちのほうが使えそうだ。悪いけど神裂、もう少しの間だけ、外の警戒頼んでいいか」
「……は?」
目を丸くしている神裂を尻目に、上条はどかっと床に座り込み、黙々と作業を開始した。
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