過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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253:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga sage]
2013/09/08(日) 00:09:59.44 ID:3H1ykXf50
「……え、治した、って」

意表を突かれて動揺したのか、小萌の目がちらりと泳いだ。

「あ、あの、食蜂ちゃん? その報告書にも書いてある通り、被験者の方たちは自然治癒したのであって」

「嘘ですよね」

「あ……いえ、ですから」

きっぱりとした口調に、小萌がたじたじとなる。

「あの日、受付を担当していたお姉さんが、あの人のことを覚えていました」

「え……」

「月詠先生から電話で呼び出しを受けたという少年を、リクライニングルームに案内したって」

「そ、そんなはずはないです! 上条ちゃんにはちゃんと裏口――――っ」

「やっぱり、そうだったんですねぇ」

「……え、……あ」


彼女が黙り込んだのを見て、自分だけ蚊帳の外にいたことを、痛感する。


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