過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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387:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga sage]
2013/10/01(火) 00:34:33.76 ID:JywB0ZXH0
黒子が一度に転移可能な重量はおおよそ130キログラムまで。
傘一本の重量などたかが知れているし、用意したものを全て繋げたところで限界重量の半分にも達しない。
また、内部転移の際は、元々そこにある物質を押しのけて転移するため、装甲の強度など何ら問題にならない。

形状が複雑であるがゆえに転移の演算にはいささか時間を費やしたが、そこは美琴と警備員が時間を稼いで補えばいい。
一度だけ放ってみせた超電磁砲も、当てるつもりなど全くなかった。
単に、敵戦車を黒子が上空で待ち受けるポイントに陽動するために行ったのだ。

あるいは、その物体を目にすれば相手側も何をする気かを察し、対策を練れたかもしれない。
だがしかし、警備員たちが焚いたスモークで周囲の視界を悪化させれば、オブジェが見つかる可能性はかなり低くなる。
そして、車両表面の絶縁体さえ貫通してしまえば、枝分かれした金属部分を伝って機関部まで電撃を導く道理である。

狙いが見事に嵌った形だが、いくつかの機能を奪えれば御の字と考えていた手前、完全停止はできすぎとも言えた。
ともあれ、動かなくなった戦車など棺桶も同じだ。
状況を察したのか、乗組員の男たちが大慌てで上部ハッチから飛び出してきた。


「さっすが黒子、完璧なタイミングだったわ」

「お姉様こそ、素晴らしいアイディアでしたの」


地面に降り立ったばかりの黒子が、片手を挙げた美琴とすれ違いざまにハイタッチを交わす。
背中合わせに立つ二人の両脇を、警備員の車両が一台、また一台と通過し、逃走する敵を追い立てていく。

猟犬部隊が辛うじて維持してきた地上の防波堤は、この時をもって全面的に瓦解した。


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