過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/30(金) 17:09:14.02 ID:A5fpO413o

 つー、と彼女は滑り台を下りてきた。
「見て」
 腕を掲げる。
 近寄って視線を落とすと、そこにあるのは火傷のような傷痕。

「これは?」
「今日、あなたが出発した後、やっちゃった。カーテンが揺れてさ」
 そこに日光が当たったらしい。
「少しだけなんだけどね。でもそれだけでこうなっちゃう」

 僕は黙ってそれを見下ろした。
 その傷にそっと触れる。
「……作り話じゃなかったんだね」

「わたしの名前」
 唐突に彼女が言う。
「ん?」
「わたしのヒナって名前、太陽の菜っぱって書くんだ。陽菜」
「……」
「笑っちゃうよね。太陽が駄目な吸血鬼なのに」



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