過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/27(火) 07:49:42.04 ID:A4xiBcVFo

 少女の後に従って部屋の入口をくぐった。
 後ろでかちゃりとドアが閉まる。
 それだけでなんとなく背徳感がふわりと舞い上がる気がしてくる。

 ソファーに座った彼女は隣を軽く叩いて僕を促した。
 かわいらしい動作だが、無表情で愛想はない。気後れする。
 僕は申し訳ないような気分でそこに腰を下ろした。

「ええと……奇遇だったね」
「わたしに何か用?」
 彼女は僕の言葉を完全に無視した。

「どういうこと?」
 僕はすっとぼけてみたが、それは明らかに無駄な試みだった。
「ホテルの前を計二十三往復。立ち止まること六分。最後に足を向けてたのがホテルの入り口」
 彼女は淡々と証拠を並べた。
 ドラマなんかで荒々しく物証を叩きつける刑事とは正反対だが、その何倍も威力がある。ように思えた。

「君に会おうと思ったんだ」
 結局僕はうなだれて白状した。



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