過去ログ - 小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season3
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9: ◆E31EyGNamM[saga]
2013/08/25(日) 21:28:39.26 ID:+ghuoRsjo

 それでも、行灯の光しかない中に飲み仲間の青白い顔が浮かぶっていうのは、一種幻想的な光景だったわね。

 話が終わるごとに行灯から灯心を引き抜きに行く。
 たったそれだけのことなのに、暗い中を一人進んで行くのは心細いものよ。

 たとえ、後ろに友人たちがいると知っていても……。
 いえ、知っているからこそ、無様なことはできないし、余計に気が張っていたかもしれないわね。

 怪談話は進んでいったわ。
 まあ、みんな知っているようなものやら、ちょっとそれは怪談なのかって思うようなものまで混じり初めて……。

 それでも、空気というのかしら。
 私たちはひたすらに話を進めていった。

 そういえば、百の話を終えると、怪異が現れるというね、とふと漏らす人がいたわ。
 そうらしいわね、という賛同の声。

 いくつか話をすると、今度はまた別の人が、百の灯りを消したら、現れるものはなにか決まっているのかい? と尋ねる。
 さあ、どうなのかな、曖昧な声がそう応じる。


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