76: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/10/13(日) 21:52:04.53 ID:2dAlYylzo
場内が暗闇に包まれたのは、ついに根負けした私がサイリウムへと手を伸ばし掛けたのと時をほぼ同じくしてでございます。
音もなく落ちた照明につられるようにして、人々の間にも静寂が広がっていきます。ただの静寂ではありません。耳の痛くなる程の静寂でありました。
次いで会場内は張り詰めた空気に満ちていきます。周囲の気配に引き摺られ、知らずぴんと背筋が伸びてしまいます。
何だか、私は大学入試を思い出してしまいます。
そして。
アップテンポのメロディーと力強い少女の歌声が響き渡れば、引き絞られた矢を射るように会場内は弾け飛ぶのでした。
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