17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/29(木) 21:09:38.94 ID:Pb8MMJNZ0
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「―――……お、もうこんな時間か。 楽しいと時間が過ぎるのが早いな」
真「えー! もうおわりー!? ……あした! あしたもっとはやいじかんにあそぼう!」
「お、そうだな。 ……あ〜、けどちょっとやらなきゃならん事が……」
真「えー!! ボクとようじ、どっちがだいじなの!」
「あれ!? おままごとまだ継続中!?」
真「えへへ〜。 だけどそんなだいじなようじなの?」
「あぁ、引越し荷物がまだまとまらなくてな」
真「え? ひっこし?」
「あれ、言ってなかったっけ? 俺明後日には引っ越すんだ」
真「……え?」
男性の口から突然飛び出した驚きの言葉
引っ越す?
誰が?
僕は頭の回転が追い付かないまま、男性の顔を見詰め続けた
「いや〜、親の転勤でね〜」
真「……」
困った様な笑みを浮かべながら頭を掻く男性
何時も通りの笑顔の男性だが、そんな男性の口から出てくる言葉を今だに僕は理解出来ていなかった
「……あれ? 真ちゃんどうした?」
真「……ひっこすの?」
単純な疑問だけが僕の口から飛び出した
……目の前の男性が引っ越すという事実が受け入れられなかっただけなのかもしれないが、僕は彼の顔を見詰めるのではなく、睨み付けるように答えを待っていた
「うん。 関西までね」
真「……なんでだまってたの?」
「いや……黙ってたわけじゃ……」
真「……」
「真ちゃん……」
真「……もういい! かえる!!」
僕は勢いよく立ち上がり、遊具から飛び出した
溢れ出る涙の所為でぼやける視界をなんとか正そうと何度も拭い続ける
後ろから男性の声が聞こえた気がしたが、僕はそんな言葉を気にも止めず家までの道を駆け抜けた
……男性との別れを認めたくない為に
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