28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/29(木) 21:33:32.89 ID:Pb8MMJNZ0
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ジリリリリリリ
神経が鈍った鼓膜を目覚まし時計の音が叩く
カーテンの隙間から差し込む陽の光が入り込むのを拒むかのように、僕の瞼は強く閉じられている
瞼に力を込める事によって冴え始める僕の脳は、瞬時に飛び起きるように指令を出す
布団を蹴り上げ飛び上がった僕は反射的に時計を見た
真「九時……おきなきゃ。 いかなきゃ!」
ベッドから降りて直ぐに洗面所へ向かった
寝癖を直し、顔を洗い、歯を磨く
整い始めた髪型にお気に入りのヘアピンを着け、鏡で何度も確認する
次に部屋に戻り、壁に掛けられたスカートを取る
お気に入りのシャツを羽織り、花の刺繍が施されたスカートを穿く
部屋には姿見が無いので、台所まで走る
そこには昨日と同じく台所に立つ母さんの姿があった
真「ねぇ! ボクかわいい!!?」
その場でくるくる回って全身を見せようとする僕
それを微笑みながら見つめる母さん
「可愛いわ。 流石私の娘ね」
……その言葉が欲しかった
母さんの言葉がスタートの合図かというように、僕は玄関まで走り出していた
玄関に揃えて置かれていたのは何時もの運動靴ではなく、ピカピカに磨かれた真っ赤な靴
これも僕のお気に入り
台所の方を振り向くと、母さんが微笑みながら手を振っていた
まるで僕が今からしようとしている事が分かっているかのような母さんの行動
僕は急いでお気に入りの靴を履き、今だに手を振り続けてくれている母さんに向かって大きな声で言った
真「こうえんいってきます!」
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