過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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145: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/10/05(土) 16:23:27.40 ID:QkN6CYp+o

ビルの屋上、煤けた無機質なコンクリートに白くて細い体が倒れている。細い眉は苦しげに寄せられていて、息は酷く乱れている。

「ゆ、りこ……?」

少年は最初何が起きたのか理解できなかった。人が倒れたということと、その人物が一方通行と呼ばれる―或いは鈴科百合子という少女であること、その2つの事実を結びつけることができなかった。なぜなら、彼女の能力を支える電極のランプは未だに赤く光っていたからである。
事実、慌てて駆け寄り、勢い良く手を伸ばしたらその手が弾かれた。この事実から判断するに、彼女の能力は今現在も正しく健在である。しかしながら能力の堅牢な檻に守られている彼女は脂汗すら浮かべていた。

「百合子、百合子!!」

手が届かないならば、と大声で名前を呼んだ。幼い日のままであるならば、一般的な音声は通常反射対象にしていない筈だということを彼は知っていた。しかし意識がないのか、あってもこちらの声に反応するだけの余裕がないのか、彼女の反応はない。



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