過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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604: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 20:53:29.77 ID:6jhe/6kKo



当初は少年の看病をするという明確な目的があったから然程気にならなかったが、彼が回復して数日経った頃からこの生活に違和感を覚えるようになった。彼との関係に「一方通行」を持ち込むことに対する抵抗感、というのが一番正確な表現だろうか。
一緒に暮す以上、電極のこと、妹達のこと―そういった「一方通行」の問題から彼を切り離して考えることは酷く難しい。これまでもそういった問題と彼が全く無関係だったわけではないが、それでも一定の線引はできていたと思うし、少年の方も一歩引いて関わってくれていたように感じる。
以下略



605: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 20:55:20.67 ID:6jhe/6kKo



充電を終えて自室に戻ったのは、昼過ぎのことだった。
少年は思うところがあるらしく、怪我が治ってからは学校に通っていた。サボって別のことをしている日もあるし、遅刻や早退をせずにきっちり授業を受けているというわけでもない。今朝だって、彼女が家を出た後に学校へ行ったのだろうからどう考えても2つは授業をサボっている。それでも月に何回か顔を出す程度だった頃に比べれば大変な変化と言えるだろう。
以下略



606: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 20:57:38.80 ID:6jhe/6kKo



その翌々日、土曜日のことであった。毎朝の日課であるトレーニングを終えた少年は、帰って来てから先ずシャワーを浴びる。そのついでに洗濯機を回すのが彼の習慣だ。

以下略



607: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 21:01:16.97 ID:6jhe/6kKo



「10032号か?俺だ、削板だ。」

以下略



608: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 21:02:48.86 ID:6jhe/6kKo

『恐らく昨日は殆ど寝なかったのでしょう、充電が必要になる前日に態と睡眠時間を減らすことも多いので、とミサカは一方通行の習慣を解説します。』

「何でそんなことを?」

以下略



609: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 21:03:14.74 ID:6jhe/6kKo



「俺の力ならそんなに難しくないって、」

以下略



610: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 21:07:55.70 ID:6jhe/6kKo

この街の上層部が超能力者同士が親しくなるのを看過するわけがない。

そういった考えを少年が持つようになったのは、彼女が行方を眩ませて少しした頃であった。
高位の能力者の殆どはこの街での生活に満足しているだろうが、一方で無能力者などとは比べものにならない鬱憤を抱えている者もある。この街の大人たちは強い能力を持ち、且つ現状に不満を抱えている子供たちが接触するのを忌避しているようだった。そういった子供たちが共謀して何事かを引き起こすことを恐れていたのであろう。
以下略



611: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 21:08:58.42 ID:6jhe/6kKo

「あなたの能力の研究、中々進まないのよね。第一位と共同研究できてた頃はよかったんだけど。」

「?どういう意味だ?」

以下略



612: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 21:09:26.57 ID:6jhe/6kKo

それから知ったことなのだが、この街が研究している能力の中には、特定の相手にだけ出力や性質が変わるものが極稀に存在するらしい。これまで見付かったそういった能力はいずれもさしたる出力を持たなかったため、研究の対象としての注目を集めることは殆どなかったが、彼の存在はその前提をひっくり返したのだと研究者は言った。

「でも、第一位の協力が得られないならこの研究は進まないわね。」

以下略



613: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/05/04(日) 21:11:04.08 ID:6jhe/6kKo



言われてみれば、少年にもそのような現象の心当たりがないでもなかった。
今でも制御の難しい能力であるが、幼い頃はそれこそ「うっかり」能力を発揮してしまうことが多かった。感情の起伏に左右されやすいのは超能力の常で、自分のような原石においてもそれは例外でない。特に幼い頃は、好きなものやお気に入りのものほど壊してしまうことが多かった。それらに触れているときに感情が大きく揺れて、それが能力として現れたということなのだろうと思う。
以下略



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