過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2014/07/06(日) 17:07:10.08 ID:MEiByfpHo
「あれから自分の転移はしたかい?」
「いいえ、風紀委員も今は後方支援に回して頂いておりますし。」
「その方がいい、もしものことがあったら大変だからね。結標くんは何年も自分の転移ができなかったようだし。」
「あ、…」
「ああ、済まないね。君にとってはあまり聞きたくない名前だったかもしれないけど、僕にとっては彼女も患者には違いないからね。」
少し表情を翳らせた白井に、彼は苦笑いしながら言った。
「いえ、構いませんわ。」
あの件があって、結標淡希があんな行動に走った背景をほんの一部には過ぎないだろうが想像することができた。
以前は、一度自身の転移に失敗したくらいで大袈裟な、と思っていた。全て能力のせいにして、自分自身の問題を省みることのできない弱い人間なのだと断じた。その考えは今でも然程変わっていないが、それでもそれが相手にとっては酷く暴力的な、正論に過ぎる論理だっただろうことは想像ができる。
事の真偽は知らないが「案内人」だという噂が立つような、しかも「残骸」の存在を知り得たような人物なのだから、この街の薄暗い陰謀と無関係ではないのだろう。つまり自分の知らない、例えばあの特力研で見た映像を幾らかソフトにしたような出来事を、彼女が経験していた可能性もある。
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