過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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69: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/09/07(土) 17:29:29.29 ID:lxiuhEmco

「ねぇ、どうかな?結構自信作なんだけど。」

「あ?旨いンじゃねェの。」

少し前であれば美味しいと思っても「悪くねェ」とか素直でない表現をしたり、或いは素直に旨いと言ってもその後に「オマエにしてはな」なんて皮肉を付け加えたりするのが常だった彼女が、あまりにも素直に褒め言葉を口にしたものだから修道女は呆然とした。それがまた、くすりと微かに笑みを零しながらだったものだから、彼女はびっくりしたというよりも、どきりとしたと言った方が適切なほどに動揺したのだ。

「……あくせられーた、それ男の人にやっちゃダメだよ?」

「?何のことだ?」

「説明しても分からないと思うけど。でもとにかく、男の人の前でそんな嬉しそうな顔しちゃダメなんだよ。」

元は結構な美人なのである。まるで男のような口ぶりや、表情のきつさ・乏しさ、独特の色彩、態度の大きさなどであまり意識はされないだけで。それだって今のような笑顔を異性が見たなら、一発で「惚れた!」とまではいかなくても、「気になる異性」くらいには昇格しそうな勢いである。

「男の前で、嬉しい顔ねェ……、あのバカ相手にぐらいしか、見せてねェと思うけど。」

自分でも最近幾らか表情が柔らかくなってきたらしいことに自覚のある彼女は呟いた。それだってごく一部の心を許した人間相手のことだから、同居人と、精々が上条とシスター。それに加えてあのバカな幼馴染ぐらいのものだ。因みに上条当麻は幸か不幸か「男」の勘定に入っていない。

「それはそれで一撃必殺レベルの殺し文句なんだよ……。」

きっとこんな具合でらすとおーだーやみさかわーすとも無意識でたらし込んでいるのだろうなぁ、と修道女は目の前の愛されっぷりも第一位な少女に対して、いっそ空恐ろしい物すら感じたのだった。



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