過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/15(日) 13:34:47.19 ID:7mwLv1hHo
女は自分のせいで生まれた2万とんで2人の内、10031人を殺した。残りの9971人を救うだなんて約束して、だけれど男のためにこれから捨てることになる。捨てるだなんて言い方は大袈裟だが、だけれど優先順位の一番ではなくなるのはほぼ確実だろう。こんな不義理があるだろうか。
でも女は知らずのうちにその道を歩み始めていて、今更気付いたところでもうやり直すことはできないところまで来てしまっている。慕ってくる子供らも捨て難いが、もうそれ以上に底抜けに明るい男のことが大切になっていた。
女は知らず自分が下した判断に、今更恐れをなしているのだ。きっとこの後ろ向きな人間のことだから、こんなことになるくらいだったら余程暗部での生活の方が良かったなどと考えているのだろう。だから自分に縋るような目を向けているのだ―なぜあの夜に引き止めてくれなかったのだと。オマエはこうなることを知っていたのだろうと。
でもどうせ、その哀しみも、葛藤も、自分ではない別の男が癒やすのだ。それを知っているから、男は手を伸ばさない。ただ、彼女自身も気付いていなかったその感情を自分が突き付けてしまったことを後悔するだけだ。
きっと、気付いてしまった後の転がるスピードは、もっと速くなるだけだから。
男は柄にもなくその場を取り繕うことも忘れて、逃げ出すように早足で立ち去った。一度ならず二度までも、惚れた女の背を態々自分から離れていくように押したのだから自分の臍曲りも始末に終えない。
女はそれでも、その場に立ち止まったままだった。
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