過去ログ - 石丸「そして僕はまた間違える」
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892: ◆Nv7JqrEoRxto[saga]
2013/12/06(金) 15:25:24.23 ID:Af60fLs+0


それからのことはあまり覚えていない。
苗木君に屈折した思いを、霧切さんに劣等感を抱えたまま、彼らと共にいた。
あんなことをした私に優しくしてくれることはただありがたかったけど、煩わしいと思う自分もいた。
今一人にされたりなんてしたらきっと生きて行けないことはわかっていたけど、優しくされればされるほどに膨れ上がる自分勝手な感情は抑えきれなかった。
我慢ができずに時折私はヒステリーを起こした。それでも優しく根気強く接してくれる二人にまた、劣等感が膨れ上がる。そしてその事実に自己嫌悪、そんな悪循環に私はハマっていた。


しばらくして私はある一つの対策を思いついた。
鏡に向かって「お前は誰だ」と言い続けると自分がわからなくなって精神崩壊をすると聞いたことがあった。これを利用すれば自分を抑えられるかもしれない。そう思った。
それから私は必死に自分に言い聞かせた。


『あなたは、犯罪者。その場所にいる権利なんてない。忘れてはいけない』



もう間違いを犯してしまわないように、自分の心を殺してしまおう。
…できるかどうかは、わからないけど。

眠ることすら難しくなり、夢か現実かそれすらの境界もあやふやになっていった。つぶやき続ける言葉だけが、現実と私を繋ぐ鎖だった。


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