過去ログ - バードウェイ「ようこそ、『明け色の陽射し』へ」 〜断章のアルカナ〜
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297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 13:20:24.19 ID:82F5LURh0
円周「『学習装置』に『卓上演劇』を組み合わせてあるんだよ、うん」

円周「オンラインゲームでさ、端末であるハードディスクに背景とか音楽とかの一部データをインストールするじゃん?」

円周「他のデータは適宜ダウンロードして、読み込みを早くする、みたいな?珍しくもないよねぇ」

上条「だから、だからってお前はっ!」

円周「大丈夫だよぉ、当麻お兄ちゃん。わたしは『脳内バッファに基幹データを確保』してあるけど」

円周「それは別に生きていくには必要のない情報の所へ、上書きしているだけだから」

上条「本当か?つかそれってどこだよ!?」

円周「ここでやっとお兄ちゃんの最初の質問、『足りない』に戻るんだよ、やったねっ!」

円周「データがあるのは『視床』。嗅覚以外の感覚神経を大脳へ中継する所であり」

円周「感情の発現や運動の促進とかをする働きがあるみたいだねー」

上条「それじゃお前は、誰かに感情を消されたって言うのかよ!?」

円周「だーかーらっ!言ってるじゃない、お兄ちゃん。お兄ちゃんには『木原』が足りないって」

円周「確かに一人じゃ出来る事じゃないから、数多おじちゃんに手伝って貰ったけど。それは」

円周「うん、うんっ!そうだよね、わたしが『木原』になるためだったら仕方がないんだよねっ!」

上条「まさかお前、自分の意思で……?」

円周「んー、生命の危機に関する感情系は消さなかったけど、それでこの間ムキになって鞠亜ちゃんには負けちゃったし」

円周「だからって全部消す訳にはいかないよねぇ、流石に」

上条「……あぁ、そうか。何となく、そんな感じはしてたけど」

上条「お前は大体、いつも笑ってるけど――全然楽しそうじゃなかった」

円周「そうなのー?」

上条「テレビとかで無理矢理演技してるような、そんな感じだったし」

円周「……そっかぁ。お兄ちゃんに看過されるなんて余っ程ダメなんだろうなー」

上条「その言い方もどうかと思うが……あ、でもさ、お前本当に感情がないの?」

上条「俺に無茶振りしたり、俺に無理ネタ振ったり、俺にバードウェイし向ける時なんか生き生きとしてっけど?」

円周「どーだろ?お兄ちゃんとシェリーお姉ちゃんは大好きなんだよ」

円周「でもそれって同じ『筺』だからかなー、って思ってたんだけど」

円周「お姉ちゃんは心におっきな『隙間』があるから、だからわたしと同じだ!って感じたんだぁ」

上条「その理屈じゃ俺も何か」

円周「あるよね、お兄ちゃんも?」

円周「人には言わない――言えないけど、決して塞がらない『隙間』みたいなの?」

円周「そんな傷があるから、わたしと似ているから懐いたんだよ、きっと」


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