過去ログ - バードウェイ「ようこそ、『明け色の陽射し』へ」 〜断章のアルカナ〜
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[saga]
2013/10/30(水) 13:19:29.83 ID:ZbrusG1n0
けれど、精一杯の願いは神にすら届かない。
彼らもう、大分前に祈りを捨ててしまっていたのだから。
バードウェイ「……そうか、やはりお前達はそれを選んでしまったのだな」
グシャ。
『天使の力』から具現化した腕が、鈎爪を持つ禍々しい巨大な腕が、笛吹男を握り潰す。
笛吹男「……な!あ、が」
バードウェイ「クロムウェル。スフォルツァ版タロットに語られた噂があったよな?」
シェリー「『タロットで“塔”を引いてしまうと、悪魔が現れて持ち主を連れ去ってしまう』――か?」
笛吹男「それは――あくまでも噂でっ!?」
バードウェイ「間抜けは貴様らだよ、笛吹男」
バードウェイ「私達が貴様らのような人間達を信用すると、本気で思っていたのか?」
笛吹男「それじゃ――最初からっ!?」
バードウェイ「あぁ『明け色の陽射し』は、貴様らが必ず『死者の書』を復活させると踏んでいたのだよ」
バードウェイ「『プリマ・タロッコ』を核にして、『断章のアルカナ』を完成させる馬鹿が出ると予測していた。それも数百年以上前からだ」
バードウェイ「悪用されるのを恐れた私達は、わざとタロットの一部を失伝させた。警告の意味も兼ねて『塔』と『悪魔』のカードを」
バードウェイ「……まぁ、アレだな。貴様が盗んだアルカナにはある呪いがかかってる」
バードウェイ「特定の条件下でアルカナを使った場合、術者本人へと攻撃が下されるように」
笛吹男「ぐぅっ!?」
『天使の力』で出来た悪魔の腕は締め上げる力をより一層強める。
元より致命傷に近い傷を負っていたのだから、とても耐えられる筈が無い。
上条「――っ!」
バードウェイ「行くなっ上条当麻!」
駆け出そうとする上条を制止する。幾ら『右手』があった所で、桁違いの量の『天使の力』を打ち消せなどはしないのだろうが。
振り返った先で彼が見たボスの顔は、表情は。
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