過去ログ - 貴音「こひのとらはれ」
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16:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 18:51:59.14 ID:bKqi92pu0
荷物を後部座席に放り込み、運転席に乗り込む。助手席には貴音。
「普通それは違うんじゃないの」というツッコミは野暮である。
俺と貴音にとってはこれが正しいのだ。

なんとなくお互いに交わす言葉のないまま道のりの半分ほどまで差し掛かったころ
貴音がゆっくりと口を開いた。

「あなた様、次の休日ですが……」

「ああ、うん」

「何度も念を押しますが……」

「何があっても仕事を入れるなだろ、大丈夫」

「あなた様も、ですからね」

「ああ、わかってる」

なにやらどうしても俺を連れて行きたいところがあるらしい。
かれこれ一年以上前から、もう百回は念を押されている。
まだ二週間先であることを考えると、さらに百回は念を押される気がする。
まあ俺の凡ミス率を考えると、これくらい念を押されてしまうのも仕方ないとは思うが。

「お願いいたします」

仰せのままに。

「ところで、どこに行くのか、そろそろ教えてくれても良いんじゃないか」

「……」

「……」

この質問に口をつぐまれるのも毎度のことだ。

「あなた様、明日の予定は」

しつこいほどスケジュールを確認するのは仕事上の鉄則であるが、
この場合は話題を切り替えられてしまっただけである。

答えたくないなら答えてくれなくても構わない。
でも、もしかしたら今回は答えてくれるかもという淡い期待がつい口をついてしまう。
それで居心地の悪さを味わわせてしまっているとしたら、申し訳ないけど。


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