110: ◆lQzP0htYVdWl[saga]
2013/09/21(土) 22:55:48.43 ID:rnWYZomRo
注意しながらも、私は怜が来てくれるのを毎日待っていた。
他愛のない話を楽しむ。
今日学校であったこととか、そんな話。
はじめは「私」を知るため色々聞いてた…けれど。
過去の「私」は、確かに私そっくりだけれど、でも、私ではなくて。
いくら聞いても「私」が怜と過ごした日々が戻ってくるわけではないことに気づいて、
辛くなって、聞くのをやめてしまった。
怜も、似たような気持ちらしく、いつしか完全に話さなくなっていた。
30分くらい経って会話が一段落すると、
私はベッドの窓際側のフチに足を下ろして、おもむろに膝を叩く。
「…………おいで」
「……うん」
怜の頭が私の太ももにゆっくりと倒れてくる。
「病人に膝枕させるなんて、ホンマはアカンのにな…」
「そんなことないって、私、幸せやし」
これも、怜が見舞いに来た時のルーティンになっていた。
怜は渋っていたけれど、何か私が戻ってくる感じがするし、
なにより膝枕されてる怜が幸せそうだから、私からやりたいとお願いしている。
横になってから、少し話を重ねるけど、
怜はすぐに眠りに落ちていく。
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