過去ログ - 【モバマス】「まゆ、お前は夢を見せる装置であればいい」
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以下、新鯖からお送りいたします
[saga]
2013/09/12(木) 20:50:52.86 ID:MAqM1HVe0
学校が夏休みに入って、間もない頃。
佐久間まゆがモデルからアイドルに転向すると、大々的に報じられました。
取材の依頼が次々と舞い込み、先物買いみたいな仕事がいくつも飛んできて。
ディレクターの手で、まゆのスケジュールは完璧に管理されます。
そうして迎えた初めてのステージで、まゆは大勢のファンの前に立ちます。
百貨店の一階に築かれた特設会場で、衣装で着飾ったまゆは、スポットライトを浴びました。
数歩先には、まゆと全く同じ衣装を身にまとった、もう一人のまゆが立っています。
だけど、構いません。
音楽が鳴り始め、まゆは、幻を振り払うみたいに精一杯の思いを歌に乗せる。
体が引き裂かれてしまわんばかりに、豪快なダンスを披露します。
自分の全てを絞りつくすみたいに。
こうすれば、いつか、幻の背中に手が届くはず。
今までに奪われたものを、取り返してみせると。
そんな思いで、歌い、踊った、ステージでした。
だけど、舞台裏に戻ったまゆを待ち受けていたのは、憤怒の形相をしたディレクターです。
「まゆ! 何だ、今のステージは!」
「え……」
「粗雑で醜い、お前の歌と踊りだ! あの必死で泥臭い姿を、佐久間まゆのファンが見たいと思うのか!」
奈落の底に落ちていくみたい。
「まゆはただ、自分らしく……」
「自分らしさなど不要だ! お前を通して見る、美しい幻にこそ、人々は熱狂する! お前は夢を見せる装置であればいい!」
びしりと、心にひびが入る音がしました。
その巨大な隙間から、するりと、幻の佐久間まゆが這い出てきた。
『何も疑問を持たない、お人形様のままでいれば、よかったのにねぇ?』
まゆはよろよろと後ずさりして。
心が軋みます。
まゆは……もう。
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