過去ログ - 【モバマス】「まゆ、お前は夢を見せる装置であればいい」
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16:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/12(木) 20:53:25.81 ID:MAqM1HVe0
 イベント当日、開始まで随分時間があるのに、会場周辺は大混雑していました。

 ディレクターの車で店舗前まで乗りつけると、何やら騒がしいです。

 警備の人と、押し問答をしている人たちがいて。

 蘭子ちゃんと、プロデューサーさんだ。

「そんなはずがない。確認をしてください!」

 プロデューサーさんが、声を荒げて警備の人に詰め寄っています。

 気合の入った衣装を着た蘭子ちゃんが、戸惑ったような顔をしています。

「どうか、しましたか」

 まゆの姿を見て、プロデューサーさんの興奮は少しおさまったようです。

「出演者の中に、蘭子がいないと言うんです。だから、通せないと。何かの伝達ミスだと、思うんですが」

「分かりました、すぐに……」

 ディレクターに誤解を解いてもらおう。

 振り返れば、ディレクターはもう目の前まで来ていて、まゆの腕をつかみます。

「行くぞ、まゆ」

「あのっ、蘭子ちゃんたちが、出演者って伝わってないみたいで……」

 サングラスの向こうの、ディレクターの瞳が、暗い輝きに満たされたように見えました。

「誰だ、そこの薄汚い奴らは」

「え?」

「まゆ、さっさと来い」

 痛いほどに強く手を引かれて、まゆは店舗へと連れられていきます。

「蘭子ちゃん!」

 伸ばした手の先に、目を見開いて立ち尽くす蘭子ちゃんの姿がありました。

 信じられないって顔をして、まゆをじっと見つめる、その瞳から……。

 強引に店舗内へと連れ込まれたまゆは、ディレクターの手を振り払います。

「どういうことですか! 蘭子ちゃんが、今日のことを、どれだけっ……」

「あのような、無名で、ふざけた輩は、お前の歩む道に必要ない」

 血が滲みそうなほどに唇を噛み締めて、ディレクターを睨みます。

「割り切れ。そして進め。俺がお前を頂上まで導いてやる。それこそが、お前を信じるファンに唯一報いる道だ」


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