過去ログ - 【モバマス】「まゆ、お前は夢を見せる装置であればいい」
1- 20
5:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/12(木) 20:41:16.12 ID:MAqM1HVe0
「どうかしたの?」

 膝立ちになり、鞄から取り出したティッシュで、弟の鼻を拭います。

「あのバカが、僕のアイスを食べたんだ。と、とと、取っておいたのに!」

「あらあら、可哀想に」

 遅れて、廊下の向こうに現れた妹が、不満そうな顔つきで歩いてきます。

「今の話、本当なの?」

「いらないものだって思ったの! この子、おやつの時間に食べなかったし!」

「まゆ姉ちゃんに、あげるつもりだったんだ!」

 まゆは弟の頭をそっとなで、妹と視線を合わせてみます。

「ちゃんと確認を取るべきだったね。悪気がないのは分かったけど、謝らないとだめよ」

 すると、ほら。

 唇を尖らせていた妹が、急に泣きそうな顔になってうつむきます。

「……ごめんなさい」

「素直に謝れる子、まゆは好きよ。素敵なお姉ちゃんになってあげてね」

「うん……」

 台所に向かうまゆの後ろを、妹と弟がついてきます

「まゆ姉ちゃん、おなかすいた。今日のごはん何?」

「ミンチのお肉が安かったから、ハンバーグにするわ」

「あのう、学校の宿題、難しくて……後でお姉ちゃんに教えてほしいんだけど」

「いいわよ。ご飯食べたら部屋で待ってて」

「僕、宿題、やるの忘れてた……どうしよう。先生に怒られる」

「仕方ないわね、お姉ちゃんが手伝ってあげるわ。でも、これっきりよ」

「うん、ありがとう!」

 まゆはエプロンを着ると、時計をちらりと見ます。

 もう、結構な時間です。二人には、悪いことをしてしまいました。

 何気なく居間を振り返れば、二人が、玩具を手に、笑いながらじゃれ合っていて。

 まゆはまぶしいものを見るみたいに目を細め、たまねぎの皮を剥き始めます。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
33Res/36.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice