過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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10:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/15(日) 02:34:23.41 ID:rUu3+dw5o
 「気を付け!」

食堂内にそう叫ぶ号令が響いた。反射的に、俺たちは立ち上がって背筋を正す。食堂には、例の勲章いっぱいの将校が、小隊長達を従えて入ってきた。

「諸君。今日の訓練はご苦労であった。諸君らは、故郷ジオンより選ばれた、若き精鋭部隊である。私は、残念ながら適性がなく、モビルスーツに搭乗することはかなわず、今もこうして後方の訓練所の人事などを担当している。だが、諸君らは、最新鋭の兵器に搭乗し、憎き連邦への先鋒となり、スペースノイドの悲願である独立と自由のために戦うことができる。これは、栄誉である!必ずや諸君らの手で、我がジオンの、いや、全スペースノイドの未来のために、連邦を打倒してほしい!諸君の活躍に期待している!ジークジオン!」

「ジーク、ジオン!」

将校の、演説らしい言葉に合わせて、学徒兵達が敬礼をする。もちろん、俺も、だ。将校は満足したのか、笑顔を見せてひとりひとりの顔を見回し

「それでは、食事とする。ひとときの息抜きだ。存分に楽しみたまえ」

と言い残し、まるで機械のように向き直ると、食堂から出て行った。

 「さて、それじゃぁ、配給するわ。各自、カウンターで受け取って、あとは自由にしていいわ」

イレーナ中尉がそれまでの空気を打ち壊すような口調でそう言い、笑顔を見せた。食堂の雰囲気もガラッと和み、学徒兵たちがガヤガヤとカウンターへと並びだす。

「アレックスの隊の隊長さんも、良い人そうだね」

テーブルから離れ、カウンターに向かう間に、ウリエラがそんなことを言ってくる。

「あぁ、まぁ、そうだな。ガチガチの軍人様より、付き合いやすい人だよ」

「あはは、そっかそっか。アレックス、いつも難しい顔してるから、ああいう優しそうな人と一緒に居た方が良いよ!そのうち、顔もほぐれてくるかもしれないし!」

「余計なお世話だよ」

 
肘で小突いてやったら、ウリエラは嬉しそうに笑った。

 言われないでも、分かってる。あの人は、いい人だ。どういう経緯でこの部隊に配属されたかはわからないが…少なくとも、あの勲章だらけの将校とはわけが違うのは分かる。そのうち機会があれば聞いてみるもの良いかもしれないな。この先のことは、雲行きが怪しい。願わくばあの中尉も、生き残りの枠に入れると良いんだが…な。

 俺は、他の小隊長と笑顔で話している中尉を見ながら、そんなことを考えていた。





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