過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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40: ◆tK49UmHkqg[saga]
2013/09/24(火) 21:45:00.77 ID:q9z5J92ho

 どれくらい経ったか、イレーナが耳元で囁いた。

「ね、もう、大丈夫」

「はい」

俺も小声で呻くような返事を返して、僅かに体を動かす。

「んっ…」

イレーナはそう声を上げて、俺の首にしがみついた。

「痛みます、か?」

そう聞いたらイレーナはブンブンと首を横に振ってから

「敬語、やめて…」

と懇願するような目つきで俺に言ってきた。ムラムラと、俺の中で理性が弾けた気がした。

 返事の代わりに、俺は腰を動かした。得も言われぬ快感か俺を包む。だが、それ以上に、意識が溶け合うような感覚が、俺を恍惚とした何かに引きずりこんでいた。

 動くたびに、イレーナが喘声を上げ、俺を抱く腕に力がこもる。弾けそうになるのを抑えるために、自然と両脚の付け根には力が入っていた。それでも、イレーナは俺に絡みつき、締め付け、俺を受けいれてくれる。

 不意に、イレーナが俺の唇に熱いキスをしてくる。彼女の昂った感情が、ダイレクトに脳に反響した。その瞬間、全身の力が抜けるのを感じた。

 あぁ、くっ…いくらなんでも、まずい…!

 そう思って、腰を引こうとした俺の体を、イレーナは抱きしめた。両脚で俺の体と脚を絡めてくる。

「イ、 イレーナ…!」

「ダメ…欲しい…!」

次の瞬間、腰を打ち砕くような甘美な快感が、断続的に押し寄せてきて、腰から背中へと駆け抜けていった。

 「あぁ…はぁ…」

俺は訪れた気だるさに身を任せて、そのままイレーナの上にのしかかるように倒れ込んだ。そんな俺を彼女は優しい手つきで抱きしめてくれる。

 ヌルっと言う感触とともに、俺たちはまた、二つに分かれた。イレーナにキスをしながら、彼女の横に崩れるようにして倒れこむ。どちらともなく、そのままの姿勢で息が整うのを待った。

 「良かったんですか…これじゃぁ、中尉…」

呼吸が整ってそう言いかけた俺の唇を、またイレーナはキスで塞いだ。それから

「今は、イレーナって、そう呼んで…。私がそうして欲しかったから、良かったのよ」

と笑顔で言った。

「だけど、もし、子どもが…」

「そのときは」

それでも聞きたかった俺の言葉を、彼女はまた遮る。

「そのときは、アレクにお父さんになってもらうからね。だから、絶対に、死んじゃダメだよ…」

イレーナの目に、涙が光った。

 そうか…そうだな。そのために、生きて戻るって約束するのも、悪くない。この人と、夫婦、か。法律的にどうなるのかはわからないが…そんなことを気にするようなご時世でもないかもしれないな。戦争が終わったら、どこかで一緒に、のんびり暮らそう。できるだけ多くの隊のやつらを死なせずに戦闘から遠ざけて、俺たちも生き残るんだ。

 そう思って、俺はイレーナを抱きしめた。そうしながら彼女に伝えた。

「ああ、約束する。約束するよ、イレーナ…」

イレーナも俺をさらに強く抱きしめてくれる。そうして俺たちは、そのまましばらく抱き合ったままベッドに横たわっていた。

 それからおよそ1時間後。営舎内に、緊急警報とともに、アナウンスが流れた。

「ア・バオア・クーより緊急入電。連邦軍の大艦隊接近をキャッチ。学徒隊はだたちに出撃準備。2200時に点呼を行い、そのままア・バオア・クーへ出撃する。繰り返す…」
 


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