過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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◆tK49UmHkqg
[saga]
2013/09/28(土) 14:14:02.85 ID:fBCgfWSeo
「生きて、また会いましょう」
「えぇ、必ず」
そう言葉を交わして、中尉はコクピットを出ていった。俺は微かに残った彼女の香りと体温を感じながら、その姿を見送っていた。
あの晩、彼女は、出撃の報を聞いて俺と別れてすぐに、身支度を整える意味で、長くてきれいだったブロンドをバッサリと切った。点呼のときに見た彼女を見て驚いたのは言うまでもない。どうしたのかと尋ねたら、気合いを入れた、と笑顔で言ってきた。一瞬、死ぬ気かとも思ったけど、そういう感触ではなかったので安心は出来た。
とにかく、今は、戦闘のことに集中しよう。ウリエラと、中尉…イレーナだけは守らないといけない。幸い、ここでも編成に変更はなく、所属は同じ小隊。注意力さえ切らなければ、十分に守り切れる自信はある。研究所から来た他の連中も、うまくやってくれよ…。
「こちら、アレックス・オーランド曹長。各機、調子はどうだ?」
俺は、なるべく平静を装って無線に呼びかけた。
<お、イレーナのところの小僧か。気が利くじゃないか>
キリの隊の、ケイス少尉からそう声が聞こえてくる。
<こちら、ウリエラ。機体、オールグリーン>
「緊張するなよ。まずは避けることを考えろ」
<了解>
ウリエラの、落ち着いた返事が聞こえてくる。ウリエラはまだ、大丈夫そうだ。
「エリック、そっちはどうだ?」
<震えが止まらない…ど、どうすりゃ良い?>
「焦るな。ウリエラにくっ付いて行け。俺と中尉で援護するから、くれぐれも迷子にはなるなよ。今日ばっかりはちびっちまっても、内緒にしておいてやるからよ」
<ト、トイレには行ってきた!そっちは大丈夫だ!>
エリックは…まぁ、いつも通り、か。変に意気込んじまうよりは、安心できる。
<よぉ、アレックス!ウリエラのこと、頼んだぜ!>
キリの声がする。こいつはまた、相変わらずだな。特にビビっている様子もない。
「そっちこそ、ウリエラともう一度会いたきゃ、生きて帰ってこいよ」
<なぁに、もしものときは機体を捨てて、泳いでサイド3まで帰ってやるよ!>
キリはそう言って高笑いする。こいつのこういうところは正直頼もしい。空元気でも構わない、そうやって明るいまま、他の連中にも声を掛けてやってくれよな…。
<オーランド曹長、お前、やるじゃねえか。小僧なんて言ってすまなかったな>
ケイス隊長の声だ。
<その歳で士気を上げようなんて余裕があるのは、見上げた。励みになったぜ…感謝するよ>
「ケイス隊長こそ、ちゃんと仕事をお願いしますよ。キリ達と別れる準備なんか、俺はしてないんですから」
<ははは!任せておけ。これでもルウム以前からの古参だ。ずる賢いやりかたの数手は身についてる。もしものときは、なんとか逃げおおせるさ>
「頼みます」
頼むよ、ケイス隊長。そっちまで俺の手を回せるかは、正直自信がないんだ。あなたに頼るしかない…キリとコンラッドを、守ってやってください…!
<アレク>
俺を呼ぶ声が聞こえた。中尉だ。
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