21: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:33:06.31 ID:Csght9Kio
言い終えて眼を開けた凛は、照れ隠しなのか、不自然にハキハキとした言い回しで言葉を遺す。
「じゃあ私はシャワー浴びてくる。二人の相手はプロデューサー、よろしくね」
そして彼女は、Pの返答も待たずシャワー室へと小走りで向かっていった。
22: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:33:59.69 ID:Csght9Kio
「……しぶりん、ずっと先を走ってるけど、常にニュージェネのことも考えてくれてるんだよね」
「そうだね未央ちゃん。凛ちゃんはいつもニュージェネレーション……ううん、それだけじゃない、事務所の後輩たちのことを考えてる。すごいよね」
23: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:34:38.77 ID:Csght9Kio
Pは、そんな彼女たちの絆を、一種の羨望を以て眺めていた。
「凛の言う通り、あいつが成長できたのは君たちのおかげだ。三人を組ませて正解だったよ」
そう声をかけると二人は、意外、という顔をしながらPを振り返った。
24: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:35:17.09 ID:Csght9Kio
アイドルたちを輝かせるために、芸能界の裏の黒い部分はPたちスタッフが受け持つ。
その点ではアイドルたちは気兼ねなく活動できるのだが、芸能界と云うのは、光り輝く白い部分だけでも、相当な重圧があるものだ。
凛のBランクの現状ですらこうなのだから、世の中のAランクアイドルたちはどんな世界を見、どんな重さに耐えているのだろう。
25: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:36:08.06 ID:Csght9Kio
ニュージェネレーションの二人に気合が充填されたところで、
ノックの音と共に迎えの馬車――と形容するには些かむさ苦しいが――がやってきた。
「それじゃあアタシらももっと仕事を獲ってこんとねェ、鏷プロデューサーさん」
26: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:37:04.06 ID:Csght9Kio
CGプロの企画制作部には三つの部署があり、
クールを担当する第一課、
キュートを担当する第二課、
パッションを担当する第三課――
27: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:37:45.13 ID:Csght9Kio
「お姫様がた、お迎えの馬車ですよ」
肩を竦めながらPが卯月と未央に促すと、
28: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:38:26.68 ID:Csght9Kio
他方、銅はマイペースに手帖を捲りながら卯月の身支度を整えている。
「ほい卯月、そろそろスタジオに向かう時間だ。行くよ」
「はい! 卯月、今日の収録も頑張ります!」
29: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:39:03.62 ID:Csght9Kio
今回のライブは半ば社運を賭けたものだった。この規模を開催するのは初めての経験だったのである。
来賓も多いし、当然、社長は顔を出してきている。
総指揮者としてPは挨拶へ行かねばなるまい。事務所での残務処理もある。
30: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 03:40:03.30 ID:Csght9Kio
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