64: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 21:51:37.54 ID:Csght9Kio
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65: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 21:54:25.20 ID:Csght9Kio
凛は茉莉花茶で喉を濡らしてから問う。
「あの……天海さんほどの人が、どこの馬の骨だか知れない人間とお茶しちゃって大丈夫なんですか?」
それを聞いた春香は目尻を下げながら、
66: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 21:57:34.49 ID:Csght9Kio
「そんな驚かないでくださいよ。CGプロさんの方々はそれなりに存じてますから」
「そうだったんですか……」
「……さすがに全員は無理ですけど」
67: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 21:59:12.03 ID:Csght9Kio
「あと、私のことは天海じゃなくて春香、って呼んでください」
「えっ、そ、それは」
動揺して反射的に視線を上げた凛に、春香はウインクして「その方が慣れてますから」と人差し指を立てながら言った。
68: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 22:03:28.55 ID:Csght9Kio
「でもごめんね、わざわざ眼鏡を貸してもらっちゃって。
私、眼鏡かけないとすぐバレちゃうから、転んで眼鏡が壊れたとき正直ちょっと焦ったんだ」
春香は、凛が貸した眼鏡の縁を、くいくいと動かしながら感謝した。
69: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 22:05:54.94 ID:Csght9Kio
「私は髪型を変えて帽子を被れば眼鏡がなくてもまだなんとかなりますけど、
春香さんくらいの髪の長さだと中々そういうわけにはいきませんよね」
「そうなんだよー。
うーやっぱり髪の長い子って、それだけでも判別要素になるよね。
70: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 22:08:36.45 ID:Csght9Kio
「あーそれは、プロデューサーさん、
……あ、うちの赤羽根プロデューサーね――が凛ちゃんのバレンタインのSRを持ってるところを見たからだね」
「えっ、あれって市井には出ていないはずじゃ……」
71: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 22:11:41.99 ID:Csght9Kio
その後、他愛のない話を色々お喋りして、短針がそろそろ真上を向こうかという頃。
二人のカップはほぼ同時に空となり、お茶会はこれにてお開き。
72: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 22:14:09.80 ID:Csght9Kio
二人、ピークを過ぎた桜の花弁が舞う坂道を、駅へと向かって下りていく。
「今日は楽しかった。他の事務所の子とお話しする機会って中々ないからさ」
73: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 22:17:03.15 ID:Csght9Kio
染井吉野の樹の下、二人はiPhone同士をbumpすると――
harukakka@i.hardhage.jp
「春……閣下……?」
74: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/09/16(月) 22:20:01.71 ID:Csght9Kio
春香は、頭を軽く下げて見送る凛にひらひらと手を振りながら、雑踏へ紛れていった。
その後ろ姿を眺める。
テレビの中とまったく変わらない天海春香。
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