過去ログ - 藤原肇「釣れましたとも」
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13:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:54:28.20 ID:t5UYVlVE0

「ふふっ。肇さん、釣れていますか――」


あら。


いつの間にか、私の後ろに一人の少女が立っていました。


その顔は、まるで誰かにそっくりのような……それでいて、誰とはわかりませんでした。


ただ不思議と、私は彼女が誰なのかを知っているような気がしました。


「……あなたは?どうして、私の名を」


その時でした。


ぴくり、と釣り竿が動きます。


「……え?」


「ほら、引いていますよ」


慌てて竿をあげようとしましたが、上手く行かず逃してしまいます。


「あら、逃してしまいましたか」


「……今のは?」


気にするほどの事ではありませんよ、と彼女は教えてくれました。


「そう、ですね」


第一、この真っ直ぐな針では、釣れるはずがありませんから。


「いえ……信じてみてください。釣れることを」


「え?」


ぽかんと口を開けていると、彼女はまた、笑います。


「……では、一度場所を変えましょうか。ついて来てください」



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