4:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:36:32.41 ID:t5UYVlVE0
  
 ですが……ある時、ふと感じてしまうことがあります。 
  
  
 もしも私がアイドルではなかったら。 
5:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:38:14.41 ID:t5UYVlVE0
  
 イメージすることのできないもう一つの可能性は、やはり私の心の隅からどいてはくれません。 
  
  
 これでよかったのか、という不思議な気持ちは、頭のなかでぐるぐると渦を巻いています。 
6:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:39:40.34 ID:t5UYVlVE0
  
 そうしてこの釣り場でのんびりと構えているわけですが……。 
  
  
 なんとなく、釣れない理由もわかってきた気がしました。 
7:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:43:21.56 ID:t5UYVlVE0
  
  
 「あれ……?」 
  
  
8:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:44:57.77 ID:t5UYVlVE0
  
 「……針、取り替えなきゃ」 
  
  
 と、折れてしまった針を見つめて。 
9:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:46:07.75 ID:t5UYVlVE0
  
 じっと、このままで待ってみます。 
  
  
 折れた針の先は尖っていますが、勿論かえしはありません。 
10:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:46:59.76 ID:t5UYVlVE0
  
 先程からずっと考えていたこと……あったかもしれない、もうひとつの可能性。 
  
  
 私は、地元の高校に入学する少し前に、彼と出会って。 
11:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:49:29.15 ID:t5UYVlVE0
  
 そうして今年の春から、東京で暮らすことになりました。 
  
  
 東京なんて、一度も来たことはありません。 
12:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:51:38.47 ID:t5UYVlVE0
  
 今の私。 
  
  
 もし、私がアイドルをやめてしまったら? 
13:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:54:28.20 ID:t5UYVlVE0
  
 「ふふっ。肇さん、釣れていますか――」 
  
  
 あら。 
14:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 00:55:38.13 ID:t5UYVlVE0
  
 彼女の後をついて、山の奥へと進んでゆきます。 
  
  
 「ここなど、いかがでしょうか」 
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