過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:23:28.91 ID:rEGEV1Wgo
髪留めを乱暴に引き抜くマミ。
縦ロールがくるくると無軌道に暴れ、ほどけて広がった。マミは叫んだ。
マミ「もう誰も守れない! 魔女に銃も向けられない!」
マミ「わたし怖い! 怖いの! ねえっ、どうしてわからないの!? どうしてあなたたちは普通なのっ!?」
マミ「どうして……まだ魔女を殺せるの!?」
杏子「…………」
杏子は手の平に息を吐きかけていた。
マミは目尻に涙を浮かべていた。杏子の平手が飛び、その雫が宙に舞った。
マミは張られた頬を押さえ、呆けていた。白くふっくらとした頬に、赤い手形がついていた。
溜め息をついて、杏子はゆっくりと話し始めた。
杏子「……あたしらは」
杏子「魔法少女なんだ。あんたが戦わないで……誰がこの街を守る?」
杏子「人も魔女も報われない。戦わなくちゃ生き残れない。戦わなくちゃ……救われないんだ」
涙が、またしてもマミの瞳を満たしていく。雫を満杯にたたえて、こぼれた涙が路上を洗う。
頬を伝ったものは、ほどけた髪にしみ込んでいく。
杏子「マミ、あんたが正しかったよ」
杏子「見返りを求めるなんて、考えが甘かったのさ。あたしらが、自分自身を救わなくちゃいけなかったんだ」
杏子「魔女退治は、絶対にあん畜生の便所掃除なんかじゃない」
杏子「魔女を倒せば人を救って、あたしら自身も救って、魔女だって……救うことができるのさ」
マミは黙り込んでいた。街灯の光が上から照らす。うつむいた表情は見えない。
杏子はポケットを探った。出てきたチョコレート菓子をマミに差し出して。
杏子「……食うかい?」
マミ「…………」
ぎゅっと、マミは手を握りこんだ。ゆっくりと上げて、
杏子「ッ!!」
鋭い痛みが走り、乾いた音が響き渡る。
お菓子の箱がはたき落とされて、路上をカラカラと転がった。
マミ「近寄らないで!」
マミは叫び、踵を返した。後ろ髪をなびかせ、走り去って行く。
杏子はその背中に向けて思い切り怒鳴った。
杏子「マミのバカヤロー!!」
振り返ることなく、彼女は遠ざかって行く。杏子は悪態をつきながら散らばった菓子を拾った。
生ぬるい風には少し湿気が混じり始めていた。
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