過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:42:47.22 ID:rEGEV1Wgo
*
雨は変わらず降り続いていた。薄暗い結界の中に、底なしの闇が広がっていた。
取り込まれたわたしたちは、傘を手にしたまま、しばらく立ち往生していた。
マミ「ここは引きましょう、鹿目さん」
マミさんは奇妙な早口で言った。キュゥべえはわたしの肩に飛び移って来た。
どちらからともなく、わたしたちは手をつないで、結界の中を進んだ。
マミさんには出口が分かっているみたいで、迷いなく導いてくれる。
土砂降りの雨の背景は赤々としていた。空が渦巻いている。
まどか「――怖いんですか?」
モノクロの地面から目をそらし、わたしは前を行くマミさんに尋ねた。返事は無かった。
水溜まりに足を入れても水は跳ねない。前も後ろも闇の中。
本当に進んでいるのか――……。
鮮明に聞こえてくるのは、私たちの足音だけ。くぐもった雨音の中。
本当に進んでいるの――……。
マミ「……先輩失格だよね」
沈黙を破ったのはマミさん。
私の手を握る力が強まる。マミさんはうつむいていた。
マミ「もう私、魔法少女を名乗れないわ。こんな臆病な魔法少女っていないもの……」
マミ「先輩失格……魔法少女失格……――」
感じる。マミさんは震えていた。
マミ「――人間失格だわ」
っあ!!
マミさんの握力が強くなり、わたしは思わず声を上げた。
マミ「あ、ごめんなさい」
まどか「ううん……平気ですっ……」
マミ「……」
まどか「……」
キリキリと張りつめて、今にもぶちっ、と切れそうな糸が一本、伸びていた。
刺すような沈黙が、果てしない結界に、無限に続くように思えた。
そして
……まただ。マミさん、また震えてる。
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